デニゾフ「ソナタ」②
前回に続きデニゾフのソナタについて書いていきたいと思います。
冒頭から5:4とか5:6など数学的な表記が出てくるため、少し戸惑いますが、この一楽章の中でまず大切なのは微分音を見つけることです。
音程はシャープ、フラット含め6種類あります。
微分音の運指を細かく記した本もありますが、最終的には自分の耳で音程を探すことが必要になります。
というのも、楽器のモデルやマウスピース、リードなどの仕掛けで個体差があるからです。
耳ではっきり音程差が判断できないと結局何をしているか分からない演奏になってしまうので、丁寧に時間をかけて微分音を探すことが必要だと思います。
そしてこの一楽章は美しいレガートがなければ、成立しないので、微分音の運指がスムーズに動くようにしっかり覚えることが重要です。
冒頭でも書きましたが、5:4や7:6などの解釈についてです。
私は数学が超絶苦手なので、最初意味が分からなく、私が大好きな現代曲に精通しているクラリネット奏者のアルバロに聞きました。(彼のサイトはこちら→https://www.duomutis.com
なんと現在日本で活躍しています。)
音符の種類によって変わってきますが
例えばこの5:4
これは8分音符、4つ分の中に5つ入れるという事で4分音符の音価になります。
この部分は♩=5連符と考えると分かりやすいでしょう。とのこと。
なるほど。この方法で計算していくと、基礎になる音符によって音価が決まるんだなと納得。
その要領で7:6も考えてみました。
レッスンの時、この部分も4分音符1拍の音価で取る指示があったので、あれ?と思い聞いてみました。
私は7:6=16分音符6つ分=1拍半と思っていたからです。
師匠に質問してみたところ、ここの7:6は16分音符、3つの塊が2つ=16分音符の6連符と計算したため一拍で演奏する指示を出したそうです。(文字にすると分かりにくい😅要ははこういうことです↓)
なるほど。。。。。。
でも私の計算方法も間違いではないと言われました。
もしかしたら少し自由な解釈をしていい余地があるのかなと思いました。
デニゾフ自身の指定あるんだったらきちんと記載があるだろうし🧐
詳しくご存知の方がいらっしゃればぜひ教えてください😌
この比の表現を用いた部分ですが、もちろんリズムをきちんと取る必要がありますが、それに気を取られるあまり、滑らかさが失われないように注意する必要があります。
この一楽章は二楽章とはっきり対称的に書かれているためレガートでこの楽章は美しく歌いこむ必要があります。
その中で冒頭に指示のあるrubatoを表現するためにこの千鳥足みたいな不安定なリズムを書いたんじゃないかなと私は思いました。
でもpoco rubatoなのでやり過ぎは厳禁です。
デニゾフは歪みのような不安定さが非常に美しいと思っていたんじゃないかと思います。
だからたくさん微分音が散りばめられているし、こんな複雑に書いているんじゃないかな🤫
今回は長くなってしまいましたが一楽章はここまで。
次回は二楽章になります。
お読みいただきありがとうございました😊